【1月24日 AFP】ノルウェーの警察は23日、同国に亡命申請したロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)の元傭兵(ようへい)を自称する男性(26)を移民法違反で逮捕したことを明らかにした。詳細は示されていない。

 逮捕されたのはロシア人のアンドレイ・メドベージェフ(Andrei Medvedev)氏。13日未明、極北の国境を越えてノルウェーに入国し、国境警備隊に拘束された。その後、亡命を申請していた。昨年7月から逃亡するまでの4か月間、ワグネルの一員としてウクライナで戦っていたと主張している。

 同氏の弁護士はAFPに対し、「ワグネルにいた際の体験を戦争犯罪の捜査関係者に話す用意がある」と述べていた。同氏は、ウクライナで報告されているワグネルの残虐行為の貴重な証人となる可能性がある。ノルウェー当局は同氏の入国後、尋問を行ってきた。

 弁護士はAFPに対し、メドベージェフ氏は警察が課した安全確保に関する制限に従うことを拒否したため、逮捕されたと説明した。

 一方、同氏の逃亡の経緯については疑問も多い。支援なしに厳重警備の国境を越えるのは不可能だとの指摘も専門家からは上がっている。

 同氏は、警備犬や発砲してきたロシアの国境警備隊に追われながら国境沿いの凍結しているパーツヨキ(Pasvik)川を全速力で走って渡ったと話している。AFPはこの証言の真偽について独自に確認できていない。(c)AFP