【12月2日 Xinhua News】中国上海市はこのほど、「上海市再生可能エネルギー・新エネルギー発展特別資金支援措置」を発表し、洋上風力発電などを含む新エネ開発を特別資金で支援することを明らかにした。深海・遠海に建設される風力発電所と近海のうち海岸から50キロ以上離れた海域に建設される風力発電所には1キロワット当たり500元(1元=約19円)の奨励基準を適用する。建設規模に応じた奨励金を毎年20%ずつ5年に分けて支給し、プロジェクト1件当たりの奨励金は年間5千万元を超えないものとしている。

 上海市発展改革委員会と財政局はこれについて、近海から遠海へと拡大している洋上風力発電の需要に対応するものだとし、「近海の資源には限りがあり、洋上風力発電は将来、近海から遠海へと広がっていく」との見方を示した。

 省・自治区・直轄市の政府が洋上風力発電向けの補助金支給を発表するのは、広東省(Guangdong)、山東省(Shandong)、浙江省(Zhejiang)に続いて4番目。上海市発展改革委員会が発表した「上海市エネルギー電力分野の炭素排出量ピークアウト実施計画」では、洋上風力発電設備容量を2025年までに2・62ギガワット、30年までに5ギガワット以上にするよう目指すとしている。

 業界関係者は、中国の海岸から200キロ以内の近海と深海・遠海における技術的に開発可能な風力資源は約22億5千万キロワットに上り、大きな成長の余地があるとの見方を示した。

 複数の地方が発表したエネルギー計画を見ると、深海・遠海での洋上風力発電技術のブレークスルーが、第14次5カ年規画(2021~25年)期間における洋上風力発電展開のキーワードになっている。福建省(Fujian)は深海・遠海での洋上風力発電を進め、480万キロワットの実証開発規模を目指す。天津市(Tianjin)は遠海での90万キロワットの洋上風力発電所の建設準備を加速させるとしている。(c)Xinhua News/AFPBB News