【11月30日 AFP】サッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)は29日、グループBの試合が行われ、米国は1-0でイランに勝利。クリスティアン・プリシッチ(Christian Pulisic)の得点を守り切り、政治の絡んだ因縁対決を制してグループリーグを突破した。

 突破へ向けて食うか食われるかの対決となった試合は、38分に米国のプリシッチが先制点を押し込むと、これがこの試合唯一の得点となった。内容に見合った勝利を挙げ、グループBを2位で通過した若手主体の米国は、12月3日の決勝トーナメント1回戦でグループAを首位で突破したオランダと対戦する。

 決勝点を挙げたプリシッチは、得点の際に相手GKと激しく衝突してハーフタイムに交代した。グレッグ・バーハルター(Gregg Berhalter)監督は「クリスティアンについて、前向きなことは言えない。またけが人が出てストレスがたまる。さらに髪が薄くなった気がするよ。しかし受け入れて前進し、オランダと戦う」とコメントした。
 
 イデオロギーが激しく対立する両国の対決は、サッカーの代表戦ではこれが3回目。試合前には両国の間の緊張の高まりが注目され、イランサッカー連盟(FFIRI)が、一部デザインが改変されたイラン国旗が米国サッカー連盟(USSF)のSNSアカウントに投稿された件で、USSFへの制裁を要求していた。

 しかし、両国が火花を散らす雰囲気ではあったが、試合自体は物議を醸すようなものではなく、米国が1998年フランス大会(1998 World Cup)で敗れた雪辱を果たし、イランを敗退に追い込んだ。(c)AFP/Rob Woollard