【11月3日 CGTN Japanese】中国の暗黒物質探査衛星「悟空」のチームが1日に発表した最新の研究成果によれば、「悟空」が収集したデータに基づきエネルギーバンドが最も高いホウ素/炭素、ホウ素/酸素の宇宙線粒子のエネルギー・スペクトルの比率を描き出すことで、エネルギー・スペクトルの新たな構造を発見しました。この最新の研究成果は、宇宙における高エネルギー粒子の伝播(でんぱ)が予想以上に遅い可能性を示しています。

 暗黒物質探査衛星の首席科学者である中国科学院の常進院士の紹介では、この成果は衛星「悟空」が宇宙線の中の第二世代と第一世代の粒子の比率を初めて正確に測定したものです。1TeV/n以上のエネルギーバンドでは、「悟空」によるデータによって描いたエネルギースペクトルは精度が最高であり、予想外のエネルギースペクトル構造が「見えた」ことは、これまで認められていた宇宙線伝播モデルを修正する必要があることを意味します。

「悟空」は中国初の天文観測衛星で、2015年末に打ち上げられました。また、「悟空」研究チームは、次世代暗黒物質探査プロジェクト「超大面積ガンマ線空間望遠鏡(VLAST)」の鍵となる技術の研究を進めていることを明らかにしました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News