【10月22日 AFP】天文学史上最も明るい閃光(せんこう)現象が今月、観測された。地球から24億光年の距離で、ブラックホールの形成によって発生した可能性が高い。

 最も高エネルギーの電磁波であるガンマ線の閃光現象「ガンマ線バースト」が最初に観測されたのは、今月9日。その後も世界中で残光が観測された。

 天体物理学者のブレンダン・オコナー(Brendan O'Connor)氏は、今回観測されたような数百秒間持続するガンマ線バーストは、太陽の30倍以上の大質量星が最期を迎える際に起きると考えられるとAFPに話した。

 大質量星が超新星爆発し、崩壊してブラックホールになると、引き寄せられた物質の円盤が周囲に形成される。物質が内側に落下すると、光速の99.99%の速度でエネルギーのジェットとして噴出される。

 今回観測された閃光で放出された光子のエネルギーは、過去最高の18テラ電子ボルト(18の後に0が12個並ぶ値)で、地球の電離層における長波無線通信に影響を及ぼした。

「地球に到達している光子の量とエネルギーの両方で記録更新だ」とオコナー氏は指摘する。

 同氏は14日早朝、南米チリにあるジェミニ南望遠鏡(Gemini South Telescope)に搭載の赤外線装置を使って新たな観測データを取得した。「これほど明るく、これほど近いものは、まさに100年に一度の事象だ」と興奮気味に語った。(c)AFP/Issam AHMED