【10月17日 AFP】スペインの首都マドリードのラパス大学病院(La Paz University Hospital)は11日、1歳1か月の女児に対し、世界初となる心停止後のドナーからの腸移植を実施したと発表した。女児はすでに退院しており、経過は非常に良好という。

 発表によると、腸移植は希望する患者の3割が待機中に死亡しているものの、心停止後のドナーからの腸移植は不可能だと考えられていたため、これまで行われてこなかった。

 腸は、免疫系と密接に関連するリンパ器官があることや、通常の状態では細菌が多数付着していることから、移植時の拒絶反応や感染症のリスクが他の臓器よりも高いとされる。

 同病院は、院内の複数のチームによる3年間の研究や試行の結果、臓器を劣化させずに移植する方法を確立したと説明している。

 映像は腸移植を受けた女児とラパス大学病院の発表。同病院が11日撮影・16日提供。(c)AFP