【10月3日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は2日、ロシアが併合を宣言した東・南部4州の一つドネツク(Donetsk)州の要衝リマン(Lyman)から、ロシア軍を「掃討した」と述べた。

 ロシアの併合宣言後に対象地域でウクライナ軍が勝利を収めたのは初めて。ただ、リマン奪還が大きく報じられる中、ゼレンスキー氏は同日夜の演説で「ウクライナ軍の成功はリマンに限定されない」と語った。1日の演説でも、今後1週間のうちに東部ドンバス(Donbas)地方でさらなる領土を奪還する考えを示していた。

 リマン近郊から戻ったウクライナ兵(33)はAFPに「楽観的な気分だ。士気は高い」と心境を明かした。前線の状況については、外国から提供された兵器が貢献しているのを実感したと話した。

 2日にはドイツが、デンマークやノルウェーと共同で2023年からウクライナにスロバキア製の装甲榴弾(りゅうだん)砲システム「ズザナ2(Zuzana-2)」16基を提供すると発表した。

 ロシア占領下にある南東部ザポリージャ(Zaporizhzhia)原子力発電所では、所長がロシア側に「不法に拘束」されているが、この点に関してゼレンスキー氏は、「ロシアによるあからさまなテロ行為」だとし、即時解放を求めた。

 一方、ロシアの憲法裁判所は同日、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が署名したウクライナ4州の併合条約を合法的だと認めた。ロシア下院のビャチェスラフ・ウォロジン(Vyacheslav Volodin)議長によると、併合に関する法案は3日、下院で審議される。(c)AFP