【10月2日 AFP】フランス・パリロンシャン競馬場(ParisLongchamp Racecourse)で2日に行われる凱旋門賞(Prix de l'Arc de Triomphe、芝2400メートル)に、日本から今年は過去最多となる4頭が出走する。そのうちステイフーリッシュ(Stay Foolish)に騎乗するクリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)騎手は、欧州最大のレースとされる凱旋門賞の優勝は、日本にとっての「悲願」だと話している。

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 2015年に日本へ移籍し、優秀騎手賞を何度も受賞しているルメール騎手は、4頭の中では一番の大穴で、大胆な逃げが特徴のステイフーリッシュに騎乗。他には昨年最下位だったディープボンド(Deep Bond)、さらに日本ダービー(Japanese Derby)優勝馬のドウデュース(Do Deuce)と、G1で複数回の優勝を誇るタイトルホルダー(Titleholder)という、期待の大きな2頭が欧州の精鋭16頭に挑む。

 欧州からは、フランキー・デットーリ(Frankie Dettori)騎手が乗る昨年優勝馬トルカータータッソ(Torquator Tasso)が今回も出走するが、難しい外側の枠順となった。

 他にはフランスとアイルランドのダービーをそれぞれ優勝しているヴァデニ(Vadeni)とウエストオーバー(Westover)も参戦。アイリッシュチャンピオンステークス(Irish Champion Stakes)でヴァデニを破り、凱旋門賞3勝目を狙うエイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)厩舎(きゅうしゃ)のルクセンブルク(Luxembourg)は、1番人気でのスタートとなる可能性が高い。

 それでも、日本勢は欧州のライバルたちに臆することなく、長年の挑戦で初となる凱旋門賞優勝に向けて強気な姿勢を見せている。

 フランス時代にも多くの実績を残した一方、凱旋門賞は取れていないルメール騎手だが、このレースが自身と日本のファンにとってどんな意味を持つかは分かっている。

 ルメール騎手は「凱旋門賞は世界最大のレースで、カレンダーに丸をつける日付だ」とコメント。「フランスの騎手としても、特別な意味がある。日本に暮らしているから、彼らの凱旋門賞制覇に懸ける思いは理解している」とし、「凱旋門賞の優勝は悲願だし、それが日本の人たちにとってどんな意義を持つかは分かっている」と話している。

 タイトルホルダーの栗田徹(Toru Kurita)調教師は、今回が初の凱旋門賞挑戦になる。栗田調教師は、今シーズンを通じてタイトルホルダーが肉体、精神の両面で成長したとし、以前は「夢のような話」だったが、「現実味」を帯びてきたとコメントした。

 ドウデュースに騎乗する武豊(Yutaka Take)騎手も、凱旋門賞制覇にはまだ手が届いていない。武騎手は、やり残した仕事があると考えており、「個人的には大きい目標、夢。いつか勝ちたいと思って何年もたっている。ジョッキーを続けている大きなモチベーションの一つ」と話している。(c)AFP/Pirate IRWIN