【9月29日 AFP】サッカー欧州5大リーグにおける選手の負傷数が、2021-22シーズンは20パーセント増加していたことが、28日に発表された調査で明らかになった。サッカー界ではW杯カタール大会(2022 World Cup)を前に、過密日程に関する議論が激しさを増している。

 保険代理店ホーデン(Howden)が行った調査によれば、欧州5大リーグにおける昨季のけがによる損失は過去最高額となる5億1300万ポンド(約799億円)に上った。けがによる損失は、選手の1日あたりの人件費に離脱日数をかけて算出された。

 国際プロサッカー選手会(FIFPro)は、選手の負担を抑える構造が必要だと主張している。

 今年のW杯は11月20日に開幕するため、欧州の各国リーグはシーズンの中断を経験することになり、大会前後はさらなる過密日程を強いられる。

 欧州サッカー連盟(UEFA)は近年、UEFAネーションズリーグ(UEFA Nations League)を新設するなどして公式戦の数を増やしており、2024-25シーズンからはクラブ大会の規模も拡大する。国際サッカー連盟(FIFA)も同じ流れをたどっており、2026年の次回W杯では出場国が32チームから48チームに増える。

 けがによる損失が最も大きかったのは約1億8500万ポンド(約288億円)のイングランド・プレミアリーグで、1億900万ポンド(約170億円)で次点につけるスペイン1部リーグと大差だった。クラブで損失が最も大きかったのは、フランス・リーグ1王者のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)で3400万ポンド(約53億円)だった。

 規則作成を行う国際サッカー評議会(IFAB)は6月、選手の負荷を減らすために5人交代制の恒久化を決定した。

 しかし、FIFProはFIFAに対し、オフに最低4週間の休養期間とシーズン中に2週間の中断期間を義務づけることで、選手にかかる負担をさらに減らすよう促している。(c)AFP