【9月28日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は27日、親ロシア派が東・南部4州で実施したロシアへの編入の是非を問う「住民投票」で賛成票が圧倒的多数を占めたと発表されたのを受け、親ロ派支配地域の国民を「守る」と表明した。

 親ロシア派が支配する4州の当局は「住民投票」での「勝利」を宣言したが、ウクライナと西側諸国は「偽物」だと非難している。

 ゼレンスキー氏はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)に投稿した動画で、「われわれはヘルソン(Kherson)、ザポリージャ(Zaporizhzhia)の両州、ドンバス(Donbas)地方、ハルキウ(Kharkiv)州の被占領地域、そしてクリミア(Crimea)半島で国民を守るため行動していく」と強調。「被占領地でのこの茶番は住民投票のまね事とすら呼べない」と非難した。

 ゼレンスキー氏は先に国連安全保障理事会(UN Security Council)の会合でビデオ演説し、「ロシアが偽の住民投票を『正規』のものとみなし、『クリミアのシナリオ』を踏襲してウクライナ領土をさらに併合しようと試みるならば、ロシアの現大統領と話すことは何もない」と述べていた。

 さらに「テレビの映像素材を撮るために、人々は銃を突き付けられて投票用紙への記入を強制された」と指摘。「偽の住民投票の結果とされる数字は、あらかじめ用意されたものだ」と主張した。

 映像前半はマリウポリで行われた「住民投票」、27日撮影。後半はゼレンスキー氏のコメント、ウクライナ大統領府が27日撮影・提供。(c)AFP