【9月29日 Xinhua News】中国水稲研究所はこのほど、浙江省(Zhejiang)嘉興市(Jiaxing)嘉善県(Jiashan)西塘鎮(Xitnag)にある長江デルタ地域初の「低炭素水田」で、収穫量を減らすことなく炭素排出量を抑えることに成功したと発表した。1ムー(約667平方メートル)当たりの炭素排出量が従来に比べ2割以上減少した。

 コメは中国の主要作物だが、水田は温室効果を持つメタンガスの排出源の一つでもある。農業農村部と国家発展改革委員会は「農業・農村排出削減・炭素固定実施計画」を共同発表し、食糧安全保障能力を強化した上で水田のかんがい管理を最適化し、メタンガス排出を削減する方針を明確に打ち出していた。

 同研究所稲作研究・発展センターの王丹英(Wang Danying)副主任は、コメ栽培によって排出される炭素の削減において、メタンガス排出やエネルギー消費、化学肥料・農薬などの削減が鍵を握ると指摘する。

 低炭素水田は400ムー(約27ヘクタール)の中核エリアと1500ムー(100ヘクタール)の周辺農地を含む。研究所は企業と連携して低炭素稲作技術を開発、無人機によるスペクトル分析と可視化プラットフォームを通して生育状況の違いを識別し、最小単位で的確な施肥と給排水ができるようにした。また、イネの成長段階に応じた炭素排出量のスマート予測を踏まえた農作業指導なども行っている。

 試算によると、低炭素稲作技術の導入後、水田1ムー当たりのメタンガス排出量は6キロ減少、温室効果ガス排出量は二酸化炭素(CO2)換算で約150キロ減少した。

 王氏は、低炭素稲作技術によって豊作と炭素排出削減を同時に実現できるとし、同技術を長江デルタ全域や長江中下流域、さらには全国のより多くの地域に展開することも可能との見解を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News