【9月26日 AFP】ロシア当局は25日、予備役の部分的動員をめぐり、学生や高齢者、持病のある人が誤って招集され、国内で反発が高まっているのを受け、過ちを正すと約束した。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が21日、部分動員を発表した際には、「関連技能」を有している人や軍事経験のある人のみが対象となると語っていた。

 しかし、南西部ボルゴグラード(Volgograd)の当局は、糖尿病を患い、脳にも問題がある63歳の元軍人を訓練施設に送った。国営ロシア通信(RIA)によると、この元軍人は23日、自宅に帰された。

 同地では、校長を務める軍隊経験がない男性(58)も招集命令を受けた。男性の娘がソーシャルメディアに投稿した動画が話題を集め、RIAによれば、男性は書類確認の後、自宅に戻ることを許された。

 こうした失態が相次いでいるのを受け、ワレンチナ・マトビエンコ(Valentina Matviyenko)上院議長は25日、動員令を管轄するすべての知事に対し、間違いを回避するよう要請した。

 マトビエンコ氏はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)で、「部分動員は要件を完全に満たしている必要がある。一つの間違いも許されない」と警告した。

 ロシア大統領府で市民社会・人権を担当するワレリー・ファデーエフ(Valeriy Fadeev)顧問も24日、セルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相に緊急対応を求めた。

 ファデーエフ氏は、極東ブリャート(Buryatia)共和国で大人数の家族を持つ父親70人が招集された事例や、軍事技術を持たない看護師や助産師の招集事例を挙げ、「刑事訴追をちらつかせて」行われたと指摘した。

 学生は招集対象から除くとされていたが、AFPの取材に応じた複数の学生は、招集令状を受け取ったと話した。(c)AFP