【9月26日 AFP】イタリアで25日、総選挙が実施された。出口調査によると、ジョルジャ・メローニ(Giorgia Meloni)氏(45)率いる極右「イタリアの同胞(FDI)」が得票率22~26%で首位に立ち、第1党に躍進する公算が大きくなった。メローニ氏は26日未明、勝利を宣言した。

 ファシズムの流れをくむFDIが政権を担うことになれば、第2次世界大戦(World War II)中に失脚したベニト・ムソリーニ(Benito Mussolini)の独裁政権以来の「極右」政権となる。

 FDIに加え、マッテオ・サルビーニ(Matteo Salvini)書記長の極右「同盟」、シルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相率いる中道右派「フォルツァ・イタリア(FI)」から成る右派連合が、上下両院で過半数の議席を獲得するとみられている。

 メローニ氏は2008年、ベルルスコーニ政権で閣僚経験はあるものの、前途は多難だ。

 欧州連合(EU)域内で3位の経済規模を持つイタリアでは他の欧州諸国と同様、インフレが加速しており、今冬はロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー危機も予想される。公的債務残高は国内総生産(GDP)比150%に上っている。

 ウクライナ侵攻をめぐっては、メローニ氏はEUの対ロシア制裁を支持しているのに対し、サルビーニ氏とベルルスコーニ氏は反対姿勢を示している。ベルルスコーニ氏は長年の盟友であるロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領をつい最近も擁護する発言を行い、批判を浴びた。対ロシア政策をめぐる不一致から、右派連合は長続きしないのではないかとみる向きもある。(c)AFP/Alice RITCHIE / Ella IDE