【9月25日 AFP】カナダ東部に24日、強い勢力の温帯低気圧が上陸し、家屋が海に流されるなど大きな被害が出た。ジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は被災地を訪問するとして、安倍晋三(Shinzo Abe)元首相の国葬出席のための訪日を取りやめると発表した。

 最も深刻な被害を受けたニューファンドランド(Newfoundland)島では、警察によると「これまで経験したことのないような」激しい暴風雨となり、女性2人が海に流された。1人は救助されたが、残る1人の行方が分からなくなっている。

 同島南西端のチャンネルポルトーバスク(Channel-Port aux Basques)の市長は、フェイスブック(Facebook)に投稿した動画で、少なくとも20棟の家屋が倒壊し、「至る所が破壊され」「まるで戦場」だと被害状況を説明した。

 ニューファンドランド・ラブラドル(Newfoundland and Labrador)州では、24日夜の時点で約50万世帯が停電しており、倒木や家屋の被害も相次いでいる。

 今回の暴風雨は、カリブ海(Caribbean Sea)沿岸に大きな被害をもたらしたハリケーン「フィオナ(Fiona)」が温帯低気圧に変わった後、もたらしたもので、依然ハリケーン並みの強風を伴って24日未明、カナダ・ノバスコシア(Nova Scotia)州に上陸した。

 この影響で、同州で29万4000世帯、ニューブランズウィック(New Brunswick)州で2万5000世帯余り、プリンスエドワードアイランド(Prince Edward Island)州で8万2000世帯が停電に見舞われた。また、建物や車の被害も相次いだ。

 トルドー首相は、「政府はあらゆる必要な物資によって各州を支援する」と表明。「この12時間に恐ろしい経験をした人たちのことを、何よりも第一に考えている」と述べ、カナダ軍が復興を支援することを明らかにした。(c)AFP/Mathiew LEISER