【9月24日 AFP】(更新)イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元首相(85)が22日、長年の盟友、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がウクライナに侵攻したのは「取り巻きにあおられた」からだと発言した。国内で非難の声が上がり、23日に釈明に追われた。

 ベルルスコーニ氏は22日、国営イタリア放送協会(RAI)の番組で「プーチン氏は実に厄介でドラマチックな状況に追い込まれた」として、ウクライナ東部ドンバス(Donbas)地方の親ロシア派がモスクワを訪れ、ウクライナ軍から攻撃を受けたと主張して支援を求めたのだと話した。

「プーチン氏は、ロシア国民と自身の党(統一ロシア)、閣僚たちにあおられて特別軍事作戦を考え出した。(ウクライナの)キーウに入り、1週間以内に(ウォロディミル・)ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)政権を適任者にすげ替え、次の1週間でロシアに戻るつもりだった」

 この発言をめぐり、イタリア国内では抗議の声が上がり、中道左派「民主党」のエンリコ・レッタ(Enrico Letta)書記長(党首)は「言語道断」だと非難した。

 ベルルスコーニ氏は23日、誤解であり、他の人々が言っていたことを話しただけだと釈明。「ウクライナへの侵略は不当であり、容認できない」と述べ、欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)への支持を表明した。

 ベルルスコーニ氏が党首を務める中道右派政党「フォルツァ・イタリア」は、25日に実施される総選挙で、ジョルジャ・メローニ(Giorgia Meloni)氏率いる極右政党「イタリアの同胞」主導の連立政権の一角として政権に復帰するとみられている。

 ベルルスコーニ氏は主にオンラインで選挙運動を実施。家事労働の賃金を約束して中高年女性や主婦層の心をつかもうとしている。

 また、短編動画投稿アプリ「ティックトック(TikTok)」で、みんなのガールフレンドは奪うつもりはないなどとジョークを飛ばして若者にもアピールしている。(c)AFP