【9月24日 CGTN Japanese】中国科学院国家天文台によりますと、同天文台や関連機関の科学者からなるチームは、南西部貴州省にある500メートル球面電波望遠鏡(FAST、通称「中国天眼」)を利用して、「20201124A」と名付けられた高速電波バースト(FRB)の動的変化プロセスを観測し、重要な研究成果を取得しました。関連成果は9月21日号の国際学術誌「ネイチャー」で発表されました。

 高速電波バーストとは、宇宙から突発的に電波を放射される現象で、わずか数ミリ秒の間に全世界の数百億年分の発電量に相当するエネルギーが放たれます。2007年に初めて発見されてから、これまでに数百個が見つかりました。

 中国の科学研究チームは「20201124A」を約3カ月にわたって観測し、電波信号を1863回確認しました。入手した偏光観測サンプルは過去最大規模に達しました。また、「20201124A」の中心から1天文単位(約1500億キロ)以内の磁場の変化も初めて観測できました。

 中国科学院国家天文台の研究員でもある北京大学物理学院の李柯伽(Li Kejia)教授によれば、これらの発見は「20201124A」を取り巻く1天文単位以内の環境がたいへん複雑で、変化し続けていることを物語っているとのことです。李教授は「チームがさらに研究を続けることで、高速電波バーストの物理的変化の要やエネルギー構造の決め手となる観測証拠を見つけ、この神秘的な宇宙現象の物理的起源をいち早く解明したい」との期待を示しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News