【9月22日 CNS】「これは窃盗事件だ。失われたルビーをみんなで捜そう!」

 中国・北京市内のマーダーミステリー体験館で、ゲームのホスト役が「小さな探偵」5人に呼びかけた。40分間でルビーの行方をつきとめる推理ゲームだ。

 中国では数年前から「劇本殺(マーダーミステリー)」という体験型ゲームが若者の間で流行している。架空の殺人事件を巡り、シナリオに基づきキャラクターを振り分けられた参加者たちが事件を解明していくエンターテインメント。この夏休みは各地で小中学生向けバージョンが誕生した。

 大人のマーダーミステリーとは異なり殺人事件はなく、複雑な推理は必要なく、間違った場合のペナルティーもない。「子どものミステリーゲーム」は探偵役の子どもたちが注意深く観察し、少しずつナゾを解き明かすことで没入感と達成感を得るように工夫されている。推理ゲーム以外にも密室からの脱出ゲームも人気だ。

 中国文化娯楽産業協会と中国青少年研究センターの調査によると、中国の青少年の71%がマーダーミステリーや密室脱出ゲームを体験している。数年間の急速な発展を経てマーダーミステリー産業は転換期を迎え、「子供のミステリーゲーム」が誕生した。体験型ゲームと一緒にボードゲームやアウトドア、親子参加などを合わせたサービスもある。

 子どものミステリーゲームが増えるにつれ、一部のシナリオには暴力的なシーンが含まれており、子どもたちを危険な行動に導くものもある。文化観光部などは6月、「シナリオエンタメ事業の運営強化に関する通知」を発表。マーダーミステリーや脱出ゲームのシナリオの内容管理と未成年者保護を強化している。(c)CNS/JCM/AFPBB News