【9月18日 AFP】南アフリカで17日、国内最大の民族集団ズールー(Zulu)人の若い女性が大集結して舞う恒例の儀式「リードダンス」が行われ、先月即位したミスズールー・カ・ズウェリティニ(Misuzulu ka Zwelithini)王(47)が初めて出席した。新型コロナウイルスの流行以来、この儀式が本格的に行われたのは初めて。

 リードダンスはかつて王が臣下の中から新しい妻を選んだことに由来し、毎年、南半球が春を迎える9月に若い女性の純潔と禁欲をたたえる伝統行事で、胸をあらわにした数万人が集結する。

 儀式はズールー人発祥の地である南東部クワズールー・ナタール(KwaZulu Natal)州で行われた。

 幕開けには、色鮮やかなビーズで着飾った上半身裸の女性たちが、長いアシの茎を持ちながら王の前でダンスを披露。ヒョウ柄のショールをまとった王は、密集したズールー戦士の輪の中から登場し、新君主として初めてアシを贈られると、群衆に向かって終始笑顔でスピーチした。

 王は「これほど多くの若い女性やズールーの戦士がリードダンスに参加するのを見るのは、生まれて初めて」だと述べ、推定1万人とされる女性たちに感謝を示した。

 さらに「私たちはあなた方を誇りに思い、愛している」と述べると歓声や掛け声が上がり、群衆は踊りだした。

 ミスズールー・カ・ズウェリティニ王は、50年にわたって君臨した父、グッドウィル・ズウェリティニ(Goodwill Zwelithini)王が昨年死去したことに伴い、王位継承権をめぐる激しい争いを経て先月、即位した。(c)AFP/Zama LUTHULI