【9月13日 CGTN Japanese】中国科学院地球化学研究所の科学研究チームはこのほど、中国の月探査機「嫦娥5号(Chang'e-5)」が採取した月のサンプルについて研究を行い、赤外スペクトルとナノイオンプローブ分析を通じて、鉱物の表層に大量の太陽風が生成した水が存在することを発見しました。研究チームは太陽風が生成した水は「嫦娥5号」が採取した月のサンプルの中に少なくとも170ppmあると推定しています。

 リモートセンシングにより、月面に水が広く存在することが分かっていますが、直接的なサンプル分析の証拠が不足していたため、月面の水の成因と分布についてはこれまで議論が続いていました。

 透過型電子顕微鏡とエネルギースペクトル分析で、太陽風成因水の形成と保存は主に鉱物の露出時間、結晶構造と成分などの影響を受けることが明らかになりました。この研究は月面の鉱物が水の重要な「貯蔵庫」であることを確認し、月の中緯度地域の水の分布の研究に重要な参考となりました。この研究成果は先日、国際学術誌「ネイチャー・コミュニケーション」で発表されました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News