【9月13日 AFP】米宇宙開発企業ブルー・オリジン(Blue Origin)は12日、再使用ロケット「ニューシェパード(New Shepard)」がテキサス州での打ち上げ直後に墜落したと発表した。今回はカプセル部分に実験機器などを搭載していたが、ロケット部分から切り離され、無事に着陸したという。

 同社がツイッター(Twitter)に投稿した動画によると、テキサス州西部の同社施設から宇宙船が打ち上げられたおよそ1分後、カプセルの緊急用スラスター(推進装置)が作動し、ロケット部分から分離した。

 同社は公式ウェブサイトで、「きょう実施した無人飛行でブースター(ロケット部分)に不具合が発生した。脱出システムは設計通り機能した」と報告。ロケット部分は「地面に衝突した」と明らかにした。ロケット部分は打ち上げ後、垂直姿勢を保ったまま再び着陸することになっている。

 打ち上げ失敗は小売り・IT大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)創業者のジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏率いるブルー・オリジンや宇宙観光産業にとって痛手となった。ただ一方で、有人の場合でも生還できた可能性が高いとして、脱出システムを評価する声も聞かれた。

 連邦航空局(FAA)は事故を受け、調査結果が出るまでニューシェパードの打ち上げは停止されると表明。「カプセルは無事着陸し、ブースターは指定の危険区域内に墜落した。負傷者や物的損害は報告されていない」と説明した。

 ニューシェパードの打ち上げは今回を含めて23回実施されているが、失敗は初めて。(c)AFP/Issam AHMED