【9月1日 AFP】ドイツ政府は31日、1972年のミュンヘン五輪事件で殺害されたイスラエル選手団11人の遺族と補償内容で合意したと発表。これにより、来週予定されている事件から50年の追悼式典での、遺族の出席ボイコットが回避された。

 ドイツ政府が提示した補償金をめぐり、遺族側は当初、独ミュンヘン(Munich)で9月5日に催される追悼式典を欠席する意向を示していた。

 しかしこの日、ドイツのフランクワルター・シュタインマイヤー(Frank-Walter Steinmeier)大統領とイスラエルのイツハク・ヘルツォグ(Isaac Herzogv)大統領は共同声明を発表し、「歴史の明確化、認識、そして補償」に関する11時間に及ぶ話し合いで至った合意に胸をなで下ろした。

 両大統領は「この合意で全ての傷を癒やすことはできない。だが、それはお互いのドアを開くものである」と評価した。

 1972年9月5日、パレスチナの過激派組織「黒い九月(Black September)」の構成員からなる8人の犯人グループが選手村のイスラエル選手団宿舎を襲撃し、2人を射殺して9人を人質に取った。

 旧西ドイツ警察は救出作戦に失敗し、人質全員が死亡。犯人グループ8人のうち5人と、警察官1人が死亡した。(c)AFP