【8月29日 CGTN Japanese】中国南西部にある四川省徳陽市で25日、「世界初の二酸化炭素+フライホイールエネルギー貯蔵モデルプロジェクト」として建設された貯蔵施設が落成したことで、中国はエネルギー貯蔵技術において、工学的応用段階に入りました。

 「脱炭素スーパー充電器」とも呼ばれるこのエネルギー貯蔵施設はサッカー場2面半ほどの広さの1万8000平方メートルの敷地に10MW/20MWhのエネルギーを蓄えることができ、2時間以内に2万kWhの充電が可能で、60世帯余りの1か月分の電気使用量の確保が可能です。注目されるのは、充電と放電の全過程で化石燃料を使用せず、固形廃棄物も出さない、完全なゼロカーボンである点です。

 エネルギー貯蔵とは、電力消費の少ない時間帯に余った電力を別のエネルギーに転換して蓄え、電力使用の多い時間帯に再び電気に変換することを指します。蓄電プロジェクトは不安定なクリーンエネルギーの欠点を補うだけでなく、ピーク時には送電もでき、送電網の安定運用と生産、生活のための正常な電力供給を確保します。

 二酸化炭素エネルギー貯蔵は圧縮ガスよるエネルギー貯蔵技術の一種で、送電網運用時のピーク調整や周波数調整、ブラックスタートなどの多種のサービスを提供することができ、電力システムの柔軟性と安全性を著しく向上させる、新型の電力システム構築支援技術です。

 この事業は太陽光発電や風力発電などの新エネルギーと組み合わせて、安定した継続的電力供給ができないという欠点を補うだけでなく、従来の火力発電と組み合わせて、火力発電の柔軟な運用時に負荷の少ない効率的な補充として、ユニットのピーク調節力とエネルギーの総合的な利用効率を大きく引き上げることができると見込まれています。

 このプロジェクトは、大容量かつ長期的な貯蔵という点で経済効果が非常に高く、その建設と稼動によって新型電力システムの構築がさらに促進されるとみられています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News