【8月23日 AFP】ウクライナのミハイロ・ポドリャク(Mykhailo Podolyak)大統領府顧問は22日、ロシアがここ数週の間に新たな和平交渉を打診してきていると明らかにする一方、新たな攻勢に備えて部隊を再編するための時間稼ぎにすぎないの見方を示した。

 ポドリャク氏は、ロシア側は交渉中の「戦況の固定化と占領地域の現状維持」を望んでいると分析。「(ロシア側は)さまざまな仲裁者を通じて打診してくる」と述べたが、具体的な仲裁者には言及しなかった。ウクライナは現在、ロシアと断交している。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領はこれまでに数回、仲裁役を務める用意があると語っている。エルドアン氏は8月初めにロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談する一方、19日には半年ぶりにウクライナを訪問している。

 ポドリャク氏によると、ウクライナ側の見解は、ロシア側は実は真剣な和平交渉を望んでおらず、新たな攻勢に備えて自軍に「作戦上の小休止」を取らせようとしているというものだ。

 ウクライナはロシア占領地について、交渉による解決を一切拒否。今回の侵攻でロシアに占領された領土だけでなく、東部の親ロシア派武装勢力に占領された領土と、2014年にロシアに併合されたクリミア(Crimea)半島の完全奪還を目指している。

 ポドリャク氏は「他のすべてのシナリオは、戦いの新局面の前に危険な小休止を与えるだけだ」とし、「ウクライナ国民は必要な限り抵抗を続ける」と述べた。

「これは存亡をかけた戦いであり、他に解決策はない。戦いを断念することは、ウクライナ国家だけでなく、全国民の破滅をも意味する」

 ロシアによるウクライナ侵攻開始から24日で半年となる。侵攻開始後、間もない時期に最初の和平交渉が行われたが、具体的な成果はもたらされなかった。(c)AFP