【8月21日 AFP】ボクシング、WBAスーパー・IBF・WBO世界ヘビー級タイトルマッチが20日、サウジアラビア・ジッダ(Jeddah)のキング・アブドゥラー・スポーツシティー・アリーナ(King Abdullah Sports City Arena)で行われ、王者オレクサンドル・ウシク(Oleksandr Usyk、ウクライナ)が判定2-1(113-115、115-113、116-112)でアンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)との再戦を制し、王座防衛を果たした。

 元クルーザー級世界王者で、昨年英ロンドンで行われた試合でジョシュアからヘビー級3団体のベルトを奪取したウシク。この日は前回よりも成長したジョシュアと相対したが、わずか4戦目のヘビー級のファイトで再び相手を上回った。

 これで戦績を20戦全勝としたウシクは、試合後すぐにタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)に対戦を呼びかけた。フューリーは今月、引退を再度表明したが、復帰の意思があることを示唆している。試合が実現して勝利すれば、ウシクはヘビー級4団体統一を果たすことになり、五輪でヘビー級の金メダルを獲得するなどアマチュアでも飛び抜けた成績を残している男が、最高の栄誉を手にすることになる。

 ウシクは「タイソン・フューリーはまだ引退していないはずだ」と観客に語りかけ、「自分と戦いたい気持ちがあると確信している。こちらも彼と戦いたい。タイソン・フューリーとファイトできないなら、誰ともファイトしない」と話した。

 試合はロシアの侵攻を受けているウクライナ国民向けに、無料でテレビ放送された。再戦を受け入れる前、母国のため軍に入隊していた時期もあるウシクは、「この勝利を母国と家族、陣営、そして国を守っているすべての軍人にささげる」と話した。

 一方のジョシュアは前回よりも差を縮めたが、それでも届かなかった。試合後のインタビューでは、サウジアラビアの事実上の指導者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)のいる前で、下品な言葉も使いながら怒りを見せた。(c)AFP/Talek HARRIS