【8月19日 AFP】ロシア首都モスクワで19日、米コーヒーチェーン大手スターバックス(Starbucks)の類似店が「スターズコーヒー(Stars Coffee)」の名で開店した。スターバックスは、ウクライナ侵攻を理由にロシア市場から撤退している。

 同店を共同経営するのは、ロシア政府を支持するラッパーのチマチ(Timati)氏とレストラン経営者アントン・ピンスキー(Anton Pinsky)氏。両氏は先月、スターバックスのロシア事業を買収し、店名を変更した。ロゴもうり二つで、スターバックスの象徴である2本の尾ひれを持つ人魚が、ロシアの伝統的な髪飾りココシニクをつけた女性に置き換えられている。

 メニューも同様にカフェイン飲料が並ぶが、スターバックスが特許を持つフラペチーノはない。スターバックスの伝統である、注文を受ける際にカップに客の名前を書くという習慣も受け継がれる予定。

 2月のウクライナ侵攻を受け、スターバックスはロシアにある130店舗を一時的に閉鎖。5月には同国から完全撤退すると発表し、ロシア市場での約15年にわたる展開に終止符を打った。

 スターズコーヒーの経営陣は、9月末までにロシア全土にある旧スターバックスチェーンの全店舗を開店させるとしている。その大半はコーヒー店のままだが、一部はレストランになる。また、同国のスターバックスで働いていた従業員約2000人のうち、約80%が新店舗に残ることを選択したと明らかにした。(c)AFP