【9月12日 AFP】低価格の衣類をインターネットで気軽に購入できる「ウルトラファストファッション」が、若者の間で人気だ。だが環境活動家らは、その流行の陰に重大な問題が隠れていると指摘している。

 この業界の主要ブランドは、英国の「ブーフー(Boohoo)」や中国の「シーイン(SHEIN)」、香港の「エミオル(Emmiol)」などだ。商品は瞬く間に生産され、超安値で販売される。実店舗でチェーン展開するスウェーデンの「H&M(ヘネス・アンド・マウリッツ)」やスペインの「ザラ(ZARA)」など「ファストファッション」ブランドにとっては手ごわい競争相手だ。

 米通信社ブルームバーグ・ニュース(Bloomberg News)によると、シーインは昨年、全世界で160億ドル(約2兆2700億円)を売り上げた。

だが環境保護団体は、ウルトラファストファッションは「使い捨て服」現象であり、資源の著しい浪費だと批判する。Tシャツを1枚生産するために使われる水は2700リットルにも上るが、そうして出来上がった製品はあっという間に捨てられてしまうというのだ。

 国際環境NGOグリーンピース(Greenpeace)は「こうした安物の服の多くが行きつくのは(中略)巨大なごみ捨て場で、川岸など屋外で焼却されて、海に流される。人間や植物に深刻な影響を及ぼしている」と指摘する。

 それでも過去数十年で最高水準のインフレが世界で進む中、低価格衣類の需要は非常に大きい。

 ウルトラファストファッションのTシャツは1枚当たりわずか4.8ドル(約680円)程度となっており、ビキニやワンピースも10ドル(約1400円)以下で購入することができる。