【8月13日 AFP】乗車賃を20ルピー(約34円)多く支払わされたとしてインドの鉄道会社を提訴していた弁護士のツングナース・チャトゥルベーディー氏(66)が、22年にわたる法廷闘争に勝利した。同氏は11日、正義を追い求めたかいがあったと述べた。

 チャトゥルベーディー氏は1999年、地元のウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州マトゥラー(Mathura)からモラダバド(Moradabad)までの切符を2枚購入した際、普通運賃の70ルピー(約117円)ではなく90ルピー(約151円)を請求された。領収書をもらっていたが、何度返金を求めてもインド鉄道(Indian Railways)に拒否されたため、裁判を起こしていた。

 チャトゥルベーディー氏は、マトゥラーの裁判所で22年にわたって5人の判事から120回の審理を受けてきた。裁判所は今月、ついにインド鉄道に対し、同氏への20ルピーの返金と年12%の利息、さらに1万5000ルピー(約2万5000円)の賠償金の支払いを命じた。

 インドの司法手続きは非常に時間がかかり、未処理の訴訟は約5000万件に上っている。

 本人訴訟とはいえ、勝訴までに何百時間も費やし、手数料その他で2万ルピー(約3万4000円)を自腹で支払う羽目になった。家族や友人には、わずかな金額のために裁判を続けるのはやめたらどうかと説得されたが、チャトゥルベーディー氏は譲らなかった。

「お金の問題ではなく、自分の権利のためだった」と同氏はAFPに説明し、「市民として、国家や国家機構の恣意(しい)的な行為や不正に疑問を呈するのは私の権利だ」と主張。「何よりも、真実が語られなければならない」と述べた。(c)AFP