【7月26日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)は25日、訪問先のカナダで演説し、同国で「多くのキリスト教徒が先住民に対して犯した悪行」を謝罪した。

 フランシスコ教皇は24日、カナダ西部アルバータ(Alberta)州エドモントン(Edmonton)に到着。翌25日、同市近郊のマスクワシス(Maskwacis)で、先住民の子どもに対する虐待が横行していた寄宿学校跡を訪れた。

 教皇は、学校跡に集まった先住民の人々を前に行った演説で謝罪。「特に、教会と宗教関係者の多くが、文化破壊と強制的な同化を目指す政策について、無関心などを通じて加担していたことに対し、許しを請う」と述べた。

 カナダでは1800年代後半から1990年代にかけ、政府の同化政策の一環として、先住民の子ども約15万人が、カトリック教会が運営する国内139か所の寄宿学校に送られた。多くの子どもが教職員から身体的、性的虐待を受けたほか、病気や栄養失調、ネグレクトによって数千人が亡くなったとみられている。各地の寄宿学校跡地からは昨年5月以降、墓標のない墓が1300基以上見つかり、国内に衝撃が走った。

 映像は25日撮影・提供。(c)AFP/Clement Melki and Amel Semmache