【7月24日 AFP】ツール・ド・フランス(2022 Tour de France)は23日、第20ステージ(ラカペルマリバルからロカマドゥール、40.7キロメートル)の個人タイムトライアルが行われ、総合首位に立つチーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のヨナス・ヴィンゲゴー(Jonas Vingegaard、デンマーク)は落車のピンチに「心臓発作」を起こしそうになりながらも生き残り、事実上の総合優勝を決めた。

 ヴィンゲゴーは総合優勝2回を飾っているUTE(UAE TEAM EMIRATES)の2位タデイ・ポガチャル(Tadej Pogacar、スロベニア)に3分34秒差、イネオス・グレナディアーズ(Ineos Grenadiers)の2018年大会王者で3位につけるゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)に8分13秒差をつけ、あとはパリのシャンゼリゼ通り(Champs-Elysees)のフィニッシュラインを切るだけとなった。

 総合勢にとっては伝統的に祝勝ステージとなる24日の最終ステージを前に、グルパマ・FDJ(Groupama-FDJ)のダビド・ゴデュ(David Gaudu、フランス)が総合4位、ボーラ・ハンスグローエ(Bora Hansgrohe)のアレクサンドル・ブラソフ(Aleksandr Vlasov)が総合5位に続いている。

 この日のステージは、ユンボ・ビスマのワウト・ファン・アールト(Wout van Aert、ベルギー)がヴィンゲゴーを抑えて優勝し、これで今大会ステージ6勝としたユンボ勢が総合首位のマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)、ポイント賞のマイヨ・ヴェール(グリーンジャージー)、山岳賞のマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ(水玉ジャージー)を手にしている。

 2年前の第20ステージの個人タイムトライアルでは、ポガチャルがユンボ・ビスマのプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)との57秒差をひっくり返す有名な逆転劇が起こったが、この日のヴィンゲゴーは暑さの中でスタートから勢いよく飛び出すと、そのままハイペースで飛ばし、ポガチャルとの神経戦にはまったくならなかった。

 終盤には、後輪が砂利で滑ってコース外へ行きかける危ない場面があったが、何とか立て直した。ヴィンゲゴーも「心臓発作を起こしかけた」と振り返った。(c)AFP/Damian MCCALL