【6月13日 AFP】ラグビーウェールズ代表で主将を務め、ブリティッシュ&アイリッシュライオンズ(British and Irish Lions、英国とアイルランドの選抜チーム)でも活躍したフィル・ベネット(Phil Bennett)氏(73)が亡くなったと、地元クラブのスカーレッツ(Scarlets)が12日に発表した。

 現役時代、ウェールズ代表として29試合に出場したベネット氏は、シックスネーションズ(Six Nations Rugby)の前身である5ネイションズ(Five Nations)で2度のグランドスラム(全勝優勝)を達成。ライオンズでも南アフリカとニュージーランド相手に8試合のテストマッチに先発出場した。

 スカーレッツは公式サイトに「クラブでキャプテンを務めた伝説的選手で、スカーレッツの会長であるフィル・ベネットが亡くなったことを深い悲しみと共に発表する」と記した。

 創造性あふれる攻撃スキルで最も知られているベネット氏は、英ロンドンのトゥイッケナム・スタジアム(Twickenham Stadium)で行われた5ネイションズのイングランド戦の前、チームメートを鼓舞するスピーチをしたことでも知られている。

 また、1969年にパリで行われたフランス戦で当時20歳だったベネット氏は、負傷したジェラルド・デービス(Gerald Davies)との交代でセンターのポジションに入り、ラグビー史上初めて途中出場を果たした選手となった。

 1974年に行われたライオンズのツアーでキャプテンを務めたウィリー・ジョン・マクブライド(Willie John McBride)氏は、スカーレッツの公式サイトに「ラグビー界にとっての彼は、クリケット界の(イアン・)ボサム(Ian Botham)やサッカー界の(ヨハン・)クライフ(Johan Cruyff)、テニス界の(イリ・)ナスターゼ(Ilie Nastase)のような存在」と語った。

 1981年に現役を引退した後、テレビやラジオの解説者となったベネット氏は、前身のラネリ・スカーレッツ(Llanelli Scarlets)時代も含めスカーレッツで会長を務め、2005年にはワールドラグビー殿堂(World Rugby Hall of Fame)入りを果たした。(c)AFP