【6月9日 AFP】韓国政府系シンクタンクの韓国国防研究院(KIDA)は9日、北朝鮮が今年に入って18回実施したミサイルの試射などに最大6億5000万ドル(約870億円)を費やしたとの報告書を公表した。新型コロナウイルス感染症対策で全国民にワクチンを接種可能な費用を上回る額という。

 北朝鮮は5月にコロナ感染者の存在を初めて認めた後もミサイル発射を続けている。感染が疑われる発熱患者は累計400万人を超えていると伝えられている。

 KIDAは報告書の中で、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)総書記は、ミサイル開発や33発の試射に推定4億〜6億5000万ドル(約530億~870億円)を使ったと指摘した。その上で、「今年の食糧不足を埋め合わせるか、北朝鮮の全国民にコロナワクチンを1回接種できる」金額に相当すると試算した。

 北朝鮮の国営メディアは、新型ウイルスの感染拡大は制御下にあると伝えているが、世界保健機関(WHO)は先週、「状況は好転しておらず、悪化していると推定される」と懸念を示した。(c)AFP