【6月9日 AFP】国連総会(UN General Assembly)で8日、先月の安全保障理事会(UN Security Council)で対北朝鮮制裁を強化する米国主導の決議案に対し、中国とロシアが拒否権を行使した理由の説明を求める会合が開かれた。中ロ両国は、米国が朝鮮半島の緊張をあおっていると非難した。

 中国の張軍(Zhang Jun)国連大使は、朝鮮半島における緊張の主因は「米国が対北朝鮮政策を180度変えた」ことにあると批判。制裁を緩和するべきだと主張した。

 ロシアのアンナ・エフスティグニエワ(Anna Evstigneeva)次席大使も制裁解除を求めた。

 これに対し、米国のジェフリー・デローレンティス(Jeffrey DeLaurentis)次席大使は両国の主張を一蹴。現行の制裁および追加制裁案は、北朝鮮の動きを受けたものだと強調。「われわれは北朝鮮との前提条件なしの対話を追求している」とし、それについては政府高官レベルでも民間ルートでも同国に伝えていると語った。

 国連総会は4月26日、常任理事国が拒否権を発動した場合、説明を求める決議を採択。今回の会合が初の適用となった。

 1946年に当時のソ連が初めて拒否権を行使して以来、ロシアは144回行使しており、米国の86回を大きく引き離している。英国は30回、中国は19回、フランスは18回となっている。(c)AFP