【6月7日 AFP】ニュージーランドラグビー協会(NZR)は7日、女子代表チームのコーチ陣が調査対象となり人事の見直しを迫られた問題を受け、チームの置かれた環境を批判したテクラ・ヌガタアエレンガマテ(Te Kura Ngata-Aerengamate)に公に謝罪した。

 ブラックファーンズ(Black Ferns、女子ニュージーランド代表の愛称)のベテランHOであるヌガタアエレンガマテは、不本意な成績に終わった昨年の欧州遠征で精神的な苦痛を受けたとして、選手へのサポートが不十分なチームの運営体制を批判した。

 同年12月にはソーシャルメディア上で、当時のヘッドコーチ(HC)であるグレン・ムーア(Glenn Moore)氏から侮辱的な言葉を浴びせられるなどの不当な扱いを受けたと告白し、これが第三者機関による調査のきっかけとなった。

 調査では同選手の訴えが裏付けられたことに加え、トップ選手へのスタッフによる無神経な発言、えこひいき、そして外見への批判的な言葉が明らかになった。

 ムーア氏は調査結果の発表から1週間もたたずに退任し、今年に延期された同国でのW杯(Rugby World Cup 2021)を約6か月後に控える中で、元男子代表指揮官のウェイン・スミス(Wayne Smith)氏がその後を引き継いだ。

 NZRは調査で判明した事実を受け入れ、ヌガタアエレンガマテに個人的に謝罪。しかし、この日の発表文で同選手が協会とムーア氏との和解に至ったのに合わせて、改めて公に謝罪することが重要である述べた。

 ヌガタアエレンガマテはソーシャルメディアで謝罪を受け入れたことを明かし、ツアー中の問題で「感情的」な影響があったとしながらも、今回の措置によりブラックファーンズと女子ラグビーが恩恵を受けたとの認識を示した。

「NZRの関与と行動に感謝する。ともにここまでたどり着いた」

「自分は立ち直り、解放された気持ちで再びラグビーを楽しんでいる」 (c)AFP