【5月26日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は25日、東部ルガンスク(Lugansk)州でロシア軍との激しい戦闘が続く中、西側諸国の支援が不十分だと非難した。

 ロシア軍はルガンスク州の要衝セベロドネツク(Severodonetsk)を包囲しようとしている。

 同州のセルヒー・ハイダイ(Sergiy Gaiday)知事はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)に投稿した動画で、ロシア軍による郊外からの砲撃がすさまじく、セベロドネツクの戦況は「非常に厳しい」と述べた。

 続けて、ロシア軍は「どんな犠牲を払ってでも」ルガンスク州を掌握しようとしており「今後1週間が勝負の分かれ目になる」との見方を示した。

 ウクライナのドミトロ・クレバ(Dmytro Kuleba)外相は25日、スイス・ダボス(Davos)で開かれている世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で演説。東部ドンバス(Donbas)地方をかけた戦いを第2次世界大戦(World War II)の戦闘になぞらえ、ロシア軍の火力に対抗するためにウクライナは多連装ロケットシステム(MLRS)を「切実に」必要としていると訴えた。

 ゼレンスキー氏も毎日恒例の国民に向けた演説で「われわれはパートナー国の支援を必要としている。何よりも必要なのは武器だ。勝利するためには万全の支援が必要だ。例外や制限は不要だ」と述べた。

 さらに、戦いを終わらせるには領土の一部を断念しなければならないかもしれないとの見解を示した米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)や西側の有力者を批判。「世界がウクライナのことを考慮する習慣を育み、独裁者(ロシア大統領)との新たな会談に飛び付く人々の利益がウクライナ国民の利益を上回ることがないよう、力を尽くさなければならない」と呼び掛けた。(c)AFP