【5月25日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は25日、スイス・ダボス(Davos)で開かれている世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)のパネルディスカッションにオンライン形式で出席し、ロシアから侵攻を受けている自国への防衛支援をめぐり、西側諸国の団結に疑義を呈した。

 ゼレンスキー氏は「団結とは武器に関することだ。私の問いは、実際のところ、この団結というものがあるのかどうかということだ。私の目には見えない。われわれがロシアに大きく優勢を誇れるのは、われわれが真に団結した時だ」と述べた。

 欧米各国は既に、数十億ドル相当の兵器をウクライナに供与しているが、同国は支援のさらなる強化を求めている。また、北大西洋条約機構(NATO)への加盟や、ウクライナ上空への飛行禁止区域の設定も要請している。

 ゼレンスキー氏は、ウクライナはジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領の支援に感謝していると述べた一方で、「わが国は欧州大陸にあり、団結した欧州の支援を必要としている」と述べて、欧州内で結束が遅れているとの考えを示唆した。

 その上で、ウクライナが求めているロシア産石油の禁輸をめぐり、これに反対している隣国ハンガリーを名指しし、同国は「他のEU加盟国ほど団結していない」と述べた。

 また、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟申請をめぐっても、トルコの反発で意見統一が図れていないと指摘。「フィンランドとスウェーデンの加盟をめぐり、団結があるだろうか。いや、ない。では西側諸国に強い団結力があるだろうか。いや、ない」とゼレンスキー氏は述べた。(c)AFP