【5月20日 AFP】ウクライナで始まった、ロシアによる侵攻開始後で初となる戦争犯罪裁判で、検察は19日、ロシア人兵士のワディム・シシマリン(Vadim Shishimarin)被告(21)に終身刑を求刑した。裁判を傍聴するAFP記者が伝えた。

 被告は、ロシア軍の侵攻開始から4日後の2月28日、ウクライナの民間人オレクサンドル・シェリポフ(Oleksandr Shelipov)さん(62)を殺害した罪に問われている。

 ウクライナ当局は、ロシアが侵攻を開始して以来、数千件におよぶ戦争犯罪について捜査を開始。この日はシシマリン被告のほか、民間人に対する犯罪で起訴された2人のロシア兵が裁判にかけられた。

 シシマリン被告は2日目を迎えた公判で、被害者の妻に対し許しを請うとともに、被害者の射殺に至った経緯を証言。所属する部隊に合流するため他の兵士と共に車で退却していた際、別の兵士から圧力をかけられ、シェリポフさんを射殺したと語った。

 被告と共に捕虜となり出廷したロシア兵(20)も、同乗していた3人目の兵士が被告に対しシェリポフさんを撃つよう「命令口調で怒鳴った」と証言。いずれの証言でも3人目の兵士は上官ではなかったとされ、被告が命令に従う義務はなかったとみられる。(c)AFP/Charlotte PLANTIVE, Dmytro GORSHKOV