【5月19日 Xinhua News】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)と中国四川省(Sichuan)の成都市(Chengdu)衛生健康委員会などが共催する子どもの肥満撲滅のための展示会が17日、市内の青少年施設、成都市青少年宮で始まった。

 店舗に見立てた展示スペースは「食を知る店」と名付けられ、本物そっくりに作られたスナック菓子やキャンディー、砂糖を含んだ飲料などを数十種類展示。子どもたちがどの食べ物の栄養価が高く、どの食べ物は控えるべきかを可動模型や漫画などを用いた双方向型の体験から学べるようになっている。

 ユニセフのシンシア・マカフリー駐中国代表は「食を知る店」では子どもたちの日常の食環境を再現しており、食品に含まれる健康に良くない多量の糖分や塩分、脂肪分を視覚化することで、子どもたちと保護者が日常的に目にする菓子や飲料の栄養情報を把握し、賢明な食べ物を選ぶ助けになることを願っていると語った。

 ユニセフ中国事務所児童健康・発展処のアヌラダ・ナラヤン処長によると、今回の活動は食事の栄養と健康を通じて、子どもの過体重と肥満という重要な問題に取り組むことを目的としている。ここ数年、中国を含めた世界中で子どもの過体重や肥満が増えており、深刻な公衆衛生問題となっている。

 関連統計によると、中国の子どもの過体重と肥満の割合は6~17歳が20%近く、6歳以下が10%超となっている。中国政府もこの問題を高度に重視しており、前後して発表された「健康中国2030」や国民栄養計画でも子どもの肥満問題に重点的に取り組むことを掲げている。

「食を知る店」はユニセフの提唱活動の一環として、成都市青少年宮に常設展示される。これに続いて山東省(Shandong)威海市(Weihai)や湖北省(Hubei)恩施(Enshi)トゥチャ族ミャオ族自治州恩施市などの都市でも一般公開される予定。会場での展示のほか、オンライン展示やショート動画などを通じて、学齢期の子どもたちとその保護者たちに健康的な食事と行動変容を呼び掛けるメッセージを伝えていく。(c)Xinhua News/AFPBB News