【5月17日 AFP】中国・上海市は17日、市内16地区すべてで、新型コロナウイルスの感染を完全に抑え込む「ゼロコロナ」を達成したと宣言した。だが、市民数百万人にはいまだ外出制限が課されており、ソーシャルメディアでは宣言をあざける声が上がっている。

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 中国は新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)開始以来、最悪の感染拡大に直面している。人口2500万人の上海では4月初めから、厳格な感染対策が導入されている。

 市の衛生健康委員会の趙丹丹(Zhao Dandan)氏は17日の会見で、「共同体レベルでのゼロコロナ」達成を表明。市当局はこの発言について、同日に確認された1000人以上の新規感染者に、外出制限対象地区外の住民が含まれていないという意味だと説明した。

 宗明(Chen Tong)副市長は15日、今週から徐々に企業活動を再開させる方針を示したが、詳細は明らかにしていない。

 政府の統計によると、市内では今なお380万人以上がロックダウン(都市封鎖)下に置かれている。一部地域ではここ数日、ひそかに規制が強化されている。

 ソーシャルメディアでは、ゼロコロナ宣言と現実との差に市民から不満が噴出している。「微博(ウェイボー、Weibo)」には、ゼロコロナを達成したのならなぜまだ2日に1度しか外出できない地域があるのかという書き込みや、「上海にはパラレルワールドがあるのか」といった投稿が見られた。(c)AFP