【5月16日 Xinhua News】中国自然資源部海洋預警監測司はこのほど、2021年版「中国海水面公報」を発表し、中国沿海の海面変動が全体的に上昇傾向を示していると明らかにした。1980年から2021年まで年平均3・4ミリ上昇し、同期間の世界全体の平均値を上回った。直近10年(2012~21年)の海面水位は、過去40年間で高い水準となっており、21年は平年より84ミリ高く、1980年以降で最も高い水準となった。

 21年の中国沿海の海面変動には顕著な地域差が見られた。海面水位は平年に比べ、渤海が118ミリ、黄海が88ミリ、東中国海が80ミリ、南中国海が50ミリそれぞれ上昇した。20年比では渤海が32ミリ、黄海が28ミリ上昇、東中国海はほぼ同じ値で、南中国海は18ミリ下がった。

 高い海面は沿岸災害の深刻化につながる。21年の高潮・高波と沿海都市の浸水害は主に海面の比較的高い季節である7~10月に発生し、浙江省(Zhejiang)や遼寧省(Liaoning)、海南省(Hainan)などの沿岸部で特に大きな被害をもたらした。長江と銭塘江の河口では塩水侵入が20年に比べ程度がひどくなり、珠江の河口では塩水侵入の回数と日数が増加。遼寧省、河北省(Hebei)、福建省(Fujian)、海南省の沿岸部ではモニタリング対象エリアの海岸侵食が激化し、遼寧省、河北省、江蘇省(Jiangsu)の沿岸部では一部地域で塩水侵入範囲が拡大した。(c)Xinhua News/AFPBB News