【5月15日 CNS】中国で大手スーパーの閉店が相次いでいる。推計によると2021年以降、13社のスーパーで100軒を超える店舗が閉鎖。1か所で多くの品物が買える従来型のスーパーは消費者にとって魅力でなくなり、各社は店舗を減らすことで生き残りを図っている。

 北京市のフランス系スーパー・カルフール(Carrefour)中関村店は3月31日に閉店した。2004年にオープンした同店は面積1万6000平方メートルを誇り、「アジア最大のスーパー」と言われた。地元に住む韓(Han)さんは「開店当時はとてもにぎやかだった」と振り返る。地下の賃貸エリアは多くの店舗が集まっていたが、近年は次々と店舗が変わっていった。ある衣料品店の店員は「安い品物をそろえても売れ行きは良くならない」と明かした。

 近くの住民は「大きいスーパーは買い物に時間がかかる。例えば、生鮮食品エリアと生活用品エリアはフロアが異なり、少しの買い物でも移動が必要となる。今はいろいろな方法でコスパの良い日用品を買うことができる」と話す。

 中国チェーンストア・フランチャイズ協会によると、中国のカルフール店舗数は2016年では319店舗を数えたが、2020年には228店舗に減少。2021年下半期だけで7つのハイパーマーケットを閉鎖し、2021年のカルフールチャイナの営業利益は前年比で10%以上減少した。米国系のウォルマート(Walmart)も事業を縮小しており、2021年に10店舗以上を閉鎖した。

 インターネットの時代となり、スーパーマーケットが必要とされなくなったわけではない。いま人気が高まっているのは、新興勢力の倉庫スタイルの会員制スーパーだ。中国のスタートアップfudi、ドイツ系のメトロ(Metro AG)、米国系のサムズクラブ(Sam's Club)などの会員制スーパーはそれぞれ数万人の会員を集めている。

 多くの消費者が憧れるハイパーマーケットは、米国のコストコ(Costco)のモデルだ。米国留学の経験がある姜(Jiang)さんは「上質なシャツとジーンズが10ドル(約1295円)未満、スーツケースは100ドル(約1万2955円)程度で買える。このような店舗に興味がない人はいません」と話す。実店舗が人気を取り戻すには、「コスパの良い高品質の商品を厳選する必要がある」と指摘している。(c)CNS/JCM/AFPBB News