【5月4日 AFP】欧州連合(EU)のシャルル・ミシェル(Charles Michel)欧州理事会(European Council)常任議長(EU大統領)は4日、訪問先のモルドバで、同国への軍事支援を大幅に強化すると表明した。同国では、親ロシア派が分離独立を宣言した地域で攻撃が相次いでいる。

 ミシェル氏は、マイア・サンドゥ(Maia Sandu)大統領との共同会見で「今年は軍装備品の追加供与など、モルドバへの支援を大幅に増やすことを計画している」と述べた。

 さらにミシェル氏は、EUが「物流やサイバースペースの分野」でも支援を拡大するほか、軍事力の増強につながる援助を行っていくことにも言及したが、詳細には触れなかった。

 同氏は、モルドバが「ロシアによるウクライナ侵攻の飛び火」に対応できるよう、EUが支援していくと強調した。

 サンドゥ氏はこの会見で、モルドバは「悲観的な想定」に沿って備えを進めているものの、「現時点では差し迫った危険があるとはみていない」と語った。

 また、東部の親ロシア派支配地域トランスニストリア(Transnistria)で爆発が相次いでいることについては、「戦争を望む勢力」が背後にいるとの見方を示し、こうした動きの阻止に努めていくと述べた。

  トランスニストリアでは先週、親ロ派の当局関係の建物やラジオ塔などで爆発があったほか、ロシア軍が駐留している地区への発砲が起きたとの主張もあった。ロシア政府はこれを「テロ行為」だと非難した。(c)AFP