【4月28日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が26日、2月の北京冬季五輪で薬物スキャンダルの中心になったフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(Kamila Valieva)を擁護し、「不誠実」なら金メダルは取れなかったと話した。

 ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)で、五輪メダリストと顔を合わせたプーチン大統領は、「国全体、世界中のフィギュアスケートファンが、カミラをとりわけ心配していた」と話し、「(ワリエワは)フィギュアスケートで最も複雑なエレメントをすべて取り込んだ。その柔軟性、美しさ、力強さ、優しさ、そして彼女の取り組みによって、このスポーツは本物の芸術という高みへ達した」と称賛した。

「そうした完璧さは、余計な手段や操作の助けに頼る不誠実な方法では実現できない。われわれはそのことをよく承知している」

 2月の五輪で、ワリエワは女子では五輪初となる4回転ジャンプを成功させ、団体の金メダル獲得に貢献した。

 しかしその後、狭心症などの治療に用いられるが、持久力を上げる効果もある禁止薬物トリメタジジン(Trimetazidine)が、以前の検査で提出したサンプルから検出されたことが判明した。スポーツ仲裁裁判所(CAS)は当時15歳という年齢を理由に、違反の有無がはっきりしないまま、ワリエワの五輪出場継続を認めたが、個人戦では何度も転倒して4位に終わった。

 映像はロシア大統領府が26日撮影・提供。(c)AFP