【5月7日 AFP】政治的に保守的な考えを持つジャックさんは、高校時代には周囲からの風当たりが強かったという。大学生になった今は、同じ考えの仲間と結束して「ウォーキズム(社会問題に高い意識を持つよう呼び掛ける主張)」に対抗している。

 米首都ワシントン南方に数時間離れたバージニア州シャーロッツビル(Charlottesville)にあるバージニア大学(University of Virginia)のキャンパスで、ジャックさんは姓を明かさない条件でAFPの取材に応じた。高校生の頃は「偏屈だ、考え方が古い」などと悪口を言われていたという。

「政治観を理由に仲間外れにされていたのです」と話し、自らを「穏健な保守派」と評した。

 ジャックさんはウォーキズムに反発する学生の一人だ。伝統的にリベラルなバージニア大学の校風が、ウォーキズム一色になっていると批判する。

 ウォーキズムやウォークネスという言葉は、米国で制度的な人種差別や不公正といった問題への関心を喚起するためのスローガンとして使われていたが、現在では広く転じて「ポリティカルコレクトネス(人種・性別・信条などによる偏見・差別のない中立的な表現)」や左派的信条をやゆする表現として、政治用語のトレンドとなっている。

 ジャックさんは大学で、「ヤング・アメリカズ財団(Young Americas Foundation)」という学生団体のイベントに参加するようになった。同団体は、コメンテーターや政治家、ラジオ番組の司会者らを招き、「米国をいかにしてウォーキズムの左派から救うか」をテーマにした講演会を開いている。

 今春は、著名なゲストを招いた。ドナルド・トランプ(Donald Trump)前政権で副大統領を務めたマイク・ペンス(Mike Pence)氏だ。