【4月29日 People’s Daily】消費市場において、実体小売りは商品流通の重要な基盤であり、生産を導き、消費を拡大する重要な担い手であり、市場を繁栄させ、雇用を保障する重要なルートだ。現在、中国の多くのリアルの店舗は消費ニーズの新たな変化に対応し、商品、サービス、業態などの供給構造のニーズ変化への適応性と柔軟性を強化することで、「華麗な転身」を実現し、人気が再び高まっている。

「買い物をしなくても、中を歩き回ったり、遊んだりするのも楽しい」。四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)の国際金融センター(IFS)というショッピングモールでは、消費者は多様なショッピング体験を楽しむことができる。各フロアには飲食やレジャー、エンタメ、フィットネス関連の業態があり、書店、楽器商、茶問屋、生花商から、エステ、ヘアサロン、ジムに至るまで、生活のあらゆる面をカバーしている。

 山東省(Shandong)済南市(Jinan)の銀座ショッピング広場泉城広場店は、リニューアルオープンしたスーパーは客でにぎわっている。今回のリニューアルでは、商品構成や消費者ニーズなどを見直した。うち、牧畜・水産関係商品は新鮮・健康を看板にし、顧客に加工過程をはっきりと見せることで、「色、香り、味、形」がある熱気をつくり上げる。また、スーパーの調達・直営輸入品が1000品以上増え、「これらの商品は特徴がはっきりしていて、よく売れている」と、スーパーの担当者は述べた。

「イノベーションはリアル小売りの構造転換の直接的な原動力だ」。中国国際貿易促進委員会(CCPIT)研究院の趙萍(Zhao Ping)副院長は、近年、中国のリアル小売り業は規模を拡大し続け、業態を絶えず革新し、インターネットやビッグデータなど次世代情報技術応用を強化し、新業態、新モデルに力を入れることにより、流通効率とサービスのレベルを一層高めたのみならず、消費者にも多くの新たな供給を提供し、再び多くの消費者に親しまれるようになったと述べた。

「ネットショッピングに比べ、デパートには自分なりの強みがある。商品や提供したサービスさえよければ、お客さんは自然に訪れる」。インゾンの担当者によると、消費者のニーズが高まる中、コーヒーを飲む若者や、友達と会う人など、こうした人たちの多様なニーズに応えてこそ、リアルの店舗の魅力が生まれるという。

 店を訪れることをライフスタイルにすることは、多くのリアルの店舗が顧客のスティッキネス(粘着性)を高めるための有効な決め手になっている。消費者の店頭体験の改善のため、リアルの店舗は十分な工夫を行い、買いやすく、見やすく、楽しいショッピングスポットが次々と出現している。

 銀泰百貨(Intime)杭州(Hangzhou)武林店の担当者によると、一部の消費者のニーズに応え、2年前にファッションコーディネートサービスを開始し、好評を得ているという。また、独自のカリキュラム体系の開発によって、店員の業務能力を向上させると同時に、ニューリテールの能力を結び付け、ユーザーにオンライン上でコーディネートの相談を行うことができるようにし、オンライン予約とオフラインのコーディネートサービスの結合による新体験が可能になっている。

 西南財経大学(SWUFE)の彭竜(Peng Long)常務副学長は、従来のショッピングセンターの構造転換は必然的なトレンドであるとみており、そのカギとして、消費トレンドに応えること、店の立地や売り場の特徴を考慮し、科学的かつ合理的な構造転換の計画と管理を行うことが必要であるとみている。(c)People’s Daily/AFPBB News