【4月25日 AFP】(更新)ロシア国防省は25日、ウクライナ南東部の港湾都市マリウポリ(Mariupol)のアゾフスターリ(Azovstal)製鉄所周辺での停戦を発表し、民間人を避難させるためと説明した。しかしウクライナ側は、同製鉄所から負傷した兵士や市民を避難させるための人道回廊の設置要求にロシア側が合意していないと明らかにした。

 ロシア国防省は、同国軍が「モスクワ時間25日午後2時(日本時間同8時)から全ての敵対行為を中止し、部隊に安全な距離を保たせ、(民間人が)確実に避難できるようにする」との声明を出した。

 アゾフスターリ製鉄所内には、ウクライナ兵と共に民間人数百人が避難しているとされる。同省は今回の停戦に関する情報を、製鉄所内にいる人々に向けて30分ごとに無線で発信しているとしている。

 また、同省はウクライナ側に対し、同製鉄所に白旗を掲げて、民間人の避難を始める「用意がある」意思表示をするよう要求している。

 一方、ウクライナのイリーナ・ベレシチューク(Iryna Vereshchuk)副首相はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)に、「きょうは遺憾ながら、アゾフスターリからの人道回廊をめぐる合意はない」と投稿した。

 ロシアは先週、アゾフスターリの広大な敷地を除き、マリウポリを制圧したと発表。これを受けてウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、同製鉄所周辺の封鎖を命じていた。(c)AFP