【4月18日 AFP】国連南スーダン派遣団(UNMISS)の団長を務めるニコラス・ヘイソム(Nicholas Haysom)国連事務総長特別代表は14日、武力衝突の再発と食糧危機により、南スーダンでは年末までに約900万人に対して援助が必要になると警鐘を鳴らした。

 首都ジュバで記者会見したヘイソム氏は「今年、人口の3分の2に当たる約900万人が生存のための援助を必要とするだろう。うち460万人は子どもだ」と指摘。「広範囲で食料が不足するだろう。しかも気候変動や紛争、避難民などの要因で状況は悪化しつつある」と述べた。

 2013~18年の内戦で対立したサルバ・キール(Salva Kiir)大統領とリアク・マシャール(Riek Machar)第1副大統領は、武力行使の停止と和平合意の履行を約束している。

 だが、石油資源の豊かなユニティ(Unity)州レール(Leer)郡で今月、キール派とマシャール派の武力衝突が発生。地元当局によると1万4000人が避難民となった。国連は、性暴力や略奪、家財の破壊などが報告されていると懸念を表明している。

 ヘイソム氏は「派閥間抗争の再発に落胆している」とし、衝突の鎮静化に努めるようキール、マシャール両氏に呼び掛けるとともに、国際社会にさらなる支援を要請した。

 2011年に独立した南スーダンでは、キール派とマシャール派の対立が2013年に内戦に発展。2018年に和平協定が締結されたが、戦闘や飢饉(ききん)によりこれまでに約40万人が死亡している。(c)AFP/Waakhe Simon Wudu