【4月24日 AFP】ブラジル・アマゾン(Amazon)の最大都市マナウス(Manaus)で、先住民初のファッションショーが開かれている。

 モデルを務めるモアン・ムンドゥルク(Moan Munduruku)さん(19)は、「私たちの縫製や工芸の才能をぜひ見てもらいたいです。先住民も(ファッションの世界で)成功できることを世界中に示したいのです」と語った。

 4月いっぱい行われているこのショーでは、15の先住民を代表する男女37人のモデルが舞台に立ち、先住民デザイナー29人の作品を披露する。会場は、現在は文化センターとなっている20世紀初頭の宮殿「パラシオリオネグロ(Rio Negro Palace)」だ。

 主催者のレビー・フェレイラ(Reby Ferreira)氏(27)はショーについて、「抵抗の一つの形。固定観念を克服する一手段なのです」と語る。 「ここマナウスでは残念ながら、先住民の血を引いていると認めることを恥じたり、恐れたりする人がたくさんいます。私たちの目標は、誰もが受け入れられていると感じられること、衣服を通じて私たちの文化を示すことです」

 デザイナーは作品に自然の要素──アマゾンのイノシシといわれるペッカリーの牙や、ガラナの赤い実、アサイーの種、ココナツの殻など──を取り入れている。

 ステージでは、司会者がそれぞれのモデルの出身である先住民を紹介し、着用している服や装飾品が象徴する意味を説明する。

 ショーの期間中、マナウスから3500キロ離れた首都ブラジリアでは、先住民の土地と権利の保護を求める恒例のデモ「テラリブレ(Terra Livre、自由の土地)」に数千人が参加。採鉱・農業企業のために先住民居留地の開発を推進するジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)政権に抗議した。(c)AFP/Louis GENOT / Orlando JUNIOR