【4月14日 AFP】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は13日、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領がロシア軍のウクライナでの行為を「ジェノサイド(集団殺害)」と呼ぶことを避け、「ウクライナ人とロシア人は兄弟のようなもの」と述べたことを非難した。

 ゼレンスキー氏はウクライナを訪問中のポーランド、バルト3国の首脳との共同記者会見でこの問題について、「われわれにとってとても苦痛なので、同氏と最善を尽くして議論するつもりだ」と述べた。

 ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は12日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領指揮下の同国軍がウクライナで「ジェノサイド」を行っていると明言した。

 しかし、マクロン氏とドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相は13日、「ジェノサイド」と呼ぶことを避け、強い非難の言葉を使うことは戦争終結の助けにならないと訴えた。

 マクロン氏は国営テレビ、フランス2(France 2)の取材に対し、国の指導者は言葉に注意を払うべきだと述べた。

 同氏は「ロシアは一方的に残忍な戦争を仕掛けたし、今やロシア軍が戦争犯罪を行ったと認知されている」「今起きていることは狂気の沙汰であり、信じ難いほど残忍だ」と認める一方、「同時に、私は事実を見つめ、この戦争を止め、平和を取り戻すためにできる限りの努力を続けたい。非難の言葉を強めることはその助けにならないのではないか」と述べた。

 マクロン氏は、特に「ウクライナ人とロシア人は兄弟のようなもの」であり、現状においてジェノサイドという言葉の使用には「慎重」であるべきだとした。(c)AFP