【4月13日 AFP】ブラジルのエリアス・バス(Eliaz Vaz)議員は12日、同国国防省が、男性機能不全(ED)治療に使われる陰茎プロテーゼ(専用のシリコン製インプラント)60個を購入していたと明らかにした。バス氏は前日には、国防省がED治療薬バイアグラ(Viagra、一般名:シルデナフィルクエン酸塩)3万5000錠を購入したと暴露していた。

 AFPは陰茎プロテーゼ購入について国防省にコメントを求めたが、回答は得られていない。バイアグラについては「肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者の治療用」と釈明していた。

 バス氏はAFPに対して書面で「われわれが知りたいのは、(ジャイル・)ボルソナロ(Jair Bolsonaro)政権が陰茎プロテーゼに公金を使う理由だ」と強調。「国民が医薬品を手に入れるのに苦労している一方で、一部の人は高価なプロテーゼを使った治療を受けている」と語った。

 バス氏によると、国防省は軍病院3か所に支給するため、インフレータブルタイプ式の陰茎プロテーゼ60個を1個5万~6万レアル(約130万~160万円)で購入した。

 バス氏は、公的支出の透明性向上に向けた政府のポータルサイトから一連の情報を入手したと説明。連邦検察に告発し、捜査を求める意向としている。

 ソーシャルメディアには、国防省をやゆする投稿が相次いだ。

 あるユーザーは、極右のボルソナロ氏と軍の緊密な関係を引き合いに出し、「どうりで軍の間でボルソナロ(政権)支持がぐんぐん上向くわけだ」と投稿。

 風刺ニュースを扱うウェブサイト「センサショナリスタ(Sensacionalista)」は「軍はバイアグラの力を借りて民主主義をより激しく突き上げているとも言われている」と記した。(c)AFP