【3月20日 AFP】英スコットランド自治政府は今月、数百年前に魔女狩りで処刑された女性たちに正式に謝罪した。謝罪は3月8日の国際女性デー(International Women's Day)に合わせて行われた。

 スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン(Nicola Sturgeon)首相は議会で、魔女狩りは「途方もない規模で行われた不正義」であり、「動機の少なくとも一部には文字通りのミソジニー、女性への憎悪があった」と述べた。

 弁護士のクレア・ミッチェル(Claire Mitchell)氏(50)とゾーイ・ベンディトッツィ(Zoe Venditozzi)氏(46)は2年前、「スコットランドの魔女たち(Witches of Scotland)」という団体を立ち上げた。魔女狩りで処刑されたすべての人々の死後恩赦を求め、歴史から忘れ去られた人々を追悼する国立の記念碑の設置を目指して活動している。

 ミッチェル氏によれば、スコットランドでは16世紀から18世紀にかけて、魔術を使ったとしておよそ4000人が告発された。計2500人以上が処刑され、そのうちの8割は女性だった。拷問で自白を強要されることが多く、大半は絞首刑となり、その後、遺体を焼かれた。

「(疑いをかけられた人々は)入れ代わり立ち代わり尋問され、何日も睡眠を許されず、魔術について問いただされました」とミッチェル氏はダンディー(Dundee)の墓地でAFPに語った。

「悪魔と踊り、悪魔と性行為をした」との自白を強いられ、それが裁判で証拠として採用されていたと説明した。

 16世紀からあるこの墓地には、「魔女の石(Witches' Stone)」と呼ばれる小さな石柱が立っており、処刑された人々のために花びらや硬貨が供えられている。

 市中心街の路面には、炎をかたどったモザイク画がある。「ダンディー最後の魔女」として知られ、1669年に処刑されたグリッセル・ジャフレー(Grissel Jaffray)さんにささげられている。